あいさつ
ご挨拶
日本は急速に高齢化が進んでいます。奈良県では100歳以上の高齢者が、令和4年度は1367人になる見込みです。最高齢の女性は111歳、男性は107歳です。20年前にはとても信じられなかった数字です。平均寿命は、国の令和元年の統計によると、女性は87.5歳、男性が81.4歳です。一方、寝たきりにならず健康で暮らせる健康寿命は女性が75.4歳、男性が72.2歳です。つまり、一生のうち、介護が必要になる期間の平均は女性では約12年、男性では約9年です。医療時術が発達し、多くの病気は治るあるいはコントロール可能になり、多くの人が長生きできるようになったからです。
それに伴って高齢者が増え、生活障害に対する支援が必要になってきました。医療の役割が小さくなり、生活を支援する介護の役割が大きくなってきました。その介護を行う機能施設の重要な入り口の一つが介護老人保健施設です。つまり、積極的医療が必要ではない入院の対象ではなくとも、医療依存度が高く、しかも家庭の介護力が低い人を受け入れ元気になってもらって、できれば自宅へフックしてもらうのが、介護老人保健施設の重要な役割です。
しかし、人間には限られた寿命があり、年齢と共に諸機能が衰えるのは自然の摂理です。すべての入所者で在宅復帰ができることが理想ですが、必ずしもそうではありません。
当施設では入所者が尊厳を持って旅立てるように看取りをすることも行っています。また、在宅復帰された方に対しては、自立した在宅生活が継続できるよう、当施設での通所リハビリテーション(デイケア)、短期入所(ショートステイ)、訪問リハビリテーションなどのサービスを提供するとともに、他のサービス機関とも連携して総合的に支援し、家族の介護負担の軽減に努めています。
なお、入所された方に対しては、入所者の生活を大切にし自宅にいるのと変わらないと感じてもらいながら、生活機能向上のため集中的な維持機リハビリテーションをお行っています。これらの目的のため、当施設には多くの職種の専門スタッフがいます。常勤の医師はもちろん、看護師、薬剤師、介護士、理学療法士、言語聴覚士、管理栄養士、ケアマネージャー、事務職などです。
また、当施設には同一法人内に病院があるため、病状が悪化すればスムーズに入院あるいは外来診療を受診でき、入所者の安全を図ることが可能です。なお当施設では法人内の関連病院はもちろん、他の医療機関、介護施設、居宅支援事業所、地域包括センター、訪問看護ステーション、行政組織などと協働し、当施設周囲の地域の高齢者及びその家族を全体として守ることが重要と考えています。
また、環境面を見ると、当施設は自然豊かな住宅地の一角にあり、近くには国内最大の丸山古墳があり、リハビリテーションで屋外の散歩をしながら、静かな療養生活を送ることができます。
職員一同、入所者及びご家族の立場に立ったケアをすることを心がけていますので、ぜひ当施設でのケアを受けることをご一考ください。お待ちしております。
施設長 森田倫史